尚志（福島）は東福岡（福岡）に０―０からＰＫ戦の末惜敗した。

　ＰＫ戦を見越して後半アディショナルタイムに投入された尚志の第２ＧＫ針生東（３年）は、相手キッカーと向き合う度に手足を振り、笑顔で軽やかなダンスを見せた。かく乱戦法は通じず、すべてのキックを決められて敗れたが、仲村浩二監督（５２）は「サブＧＫは一番試合に出られないのに、腐らずチームを支えた素晴らしい人間。普通の高校生ならやりづらいじゃないですか」とパフォーマンスは真剣さの表れと認めた。

　右鎖骨骨折が完治していないエースのＦＷ矢崎レイス（３年）は先発で出場したが前半３２分で交代。東福岡の猛攻を全員でしのぎきったが、ゴールは遠かった。ベンチに置かれたＯＢ、チェイス・アンリ（２０）＝シュツットガルト＝の直筆の色紙には「がんばれよ！　何が起きるかわからないから全力で楽しめよ　俺のレベルにこい！」の文字が。主将のＦＷ千住澪央（３年）は先輩の思いを受け継ぎ「（次回は）尚志の名を全国にとどろかせてほしい」と後輩に託した。（甲斐　毅彦）

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