JFA審判委員会、AT18分越え清水×神戸戦の主審に厳重注意
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「元のアディショナルタイム、負傷の対応、対立などの時間を追加しても18分とる必要はない」との見解を示した。
また、同委員会は担当主審に厳重注意したと明かした。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181218-00000049-spnannex-socc
12/18(火) 6:00配信
大荒れ19分間ロスタイムの舞台裏に何があったのか? J審判委員会が反省総括
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181218-00010001-wordleafs-socc&p=1
後半アディショナルタイムが実に19分近くに達した、過去に前例のない一戦の舞台裏が判明した。
日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は17日、東京・文京区のJFAハウス内で「2018第6回JFAレフェリーブリーフィング」を開催。試合映像を介しながら終盤戦のJリーグにおける判定事象を検証したなかで、大荒れの展開となった11月24日の明治安田生命J1リーグ第33節、清水エスパルス対ヴィッセル神戸戦におのずと焦点が集まった。
エスパルスのホーム、IAIスタジアム日本平で14時にキックオフされた一戦は、ヴィッセルが3-2とリードしたまま、第4の審判によって「4分」が表示された後半アディショナルタイムに突入した。
2006年のワールドカップ・ドイツ大会の3位決定戦、ドイツ代表対ポルトガル代表などで主審を務めた経験をもち、いま現在は審判委員会のトップレフェリーグループシニアマネジャーを務める上川徹氏は、表示された「4分」の扱いをブリーフィングの場でこう説明した。
「競技規則的には、4分から4分59秒までアディショナルタイムを取ることができます。ただ、4分になったらできるだけ早い段階で試合を終わらせるのも、ゲームコントロールのひとつだという話は(レフェリーたちに)させてもらっています」
アディショナルタイムが3分台に入ったところで、激しいコンタクトプレーが続いた。2度目となった場面ではエスパルスのMF河井陽介が、ヴィッセルのDF橋本和と空中で激突。頭部を強打した河井はその場に倒れ込むも、柿沼亨主審が試合を中断させたのは約20秒後の93分40秒だった。
「映像を見る限り、22番の選手(橋本)の反則を取るべきだった。ボールに対して遅れた行為だったので」
柿沼主審のジャッジに疑問を呈した上川氏だが、最大の問題はその後に発生する。ピッチ上で治療を受けた河井は最終的に担架で運ばれ、救急搬送された。その間に要した約4分半の中断時間を、柿沼主審はアディショナルタイムにさらに上乗せする判断を下す。上川氏が続ける。
「アディショナルタイムはあくまでも4分。その間に何か起きたのであればもちろん時計を止めて、(再開後は)最長でも4分59秒で止めなければいけなかったところで、カウントを間違えてしまった」
河井に代わって今シーズン限りでの現役引退を表明していた36歳のベテラン、MF兵働昭弘が投入された直後など、試合を終わらせるタイミングは何度もあった。しかし、柿沼主審の判断ミスに審判団のコミュニケーション不足が追い打ちをかける。
無線で連絡を取り合っていた2人の副審と第4の審判に対して、柿沼主審は河井の治療に要した時間をアディショナルタイムにさらに追加すると告げる。そして、副審の一人から「それは違うのではないか」と疑問を呈されるも柿沼主審から返答がないまま、試合は再開された。再び上川氏が言う。
「無線で話はしているんですけど、確認までは取っていない。(副審が)違うと伝えたのであれば、レスポンスが返ってくるまで伝えるのが審判団のチームワーク。その意味で、ここでは4人が上手く協力できていなかったと考えます」
再開後、最短なら20秒。長くても1分ちょっとで終わるはずの試合が、延々と続く気配を見せる。リードしているヴィッセルの選手たちが次第に苛立ち始め、98分40秒すぎにはFWルーカス・ポドルスキと激しく接触したDF立田悠悟が悶絶。約3分間の治療を受けるも回復せず、ピッチ外に運ばれた後に救急搬送された。
上川氏は「明らかに警告が必要な反則」と厳しい見解を下したが、イエローカードは提示されない。しかも、立田の治療時間もさらにアディショナルタイムに加算される。荒れ模様になった試合は、エスパルスのGK六反勇治がセットプレーから頭で同点ゴールを決めた104分を境に一気にヒートアップする。
105分にはヴィッセルのFWウェリントンが、エスパルスのMF石毛秀樹へファウルを見舞う。このプレーをきっかけに両軍の選手、スタッフが入り乱れての乱闘騒ぎが勃発し、ポドルスキはエスパルスのベンチ裏で相手スタッフと小競り合いを演じるも、カードの類は提示されない。
これが収束するまでの約3分40秒も、またもや本来のアディショナルタイムを消化するための時間として加算された。そして、石毛へのファウルでイエローカードを提示されたウェリントンが、納得せずに抗議すると2枚目のイエローカードを出されて退場処分に。もはや収拾がつかない状況に陥る。
今シーズンからJ1で主審を務める37歳の柿沼主審の判断ミス。そこへ審判団のコミュニケーション不足が加わった結果、試合が3-3のドローで終わったときには時計の針は108分50秒を指していた。ヴィッセルに所属する元FCバルセロナ及びスペイン代表の至宝、MFアンドレス・イニエスタが出場していた試合とあって、前代未聞のアディショナルタイムと後味の悪い乱闘騒ぎは世界中で報じられた。
JFAの審判委員会は柿沼主審に口頭で、2人の副審と第4の審判には電話でそれぞれ確認を取り、判断が間違っていたことを伝えた。上川氏は「全員が反省しきりでした。すごく大きなニュースになったことへの責任を、すごく感じていた」とやり取りした際の様子を明かす。
ブリーフィングに出席したJFAの小川佳実審判委員長は、柿沼主審の来シーズンに関して「J1の笛を吹く、吹かないは別にして、Jリーグは担当します。ただ、どのレベルで吹かせるかは私たちの判断となります」と明言。当面はJ1よりも下のカテゴリーを担当するものと見られるなかで、今年最後のブリーフィングで問題の一戦を、20分近くの時間を割いて取り上げた意義をこう説明した。
「批判されるのが当たり前の世界なので、それを組織としてどのように消化していくか。映像などで出していくのはレフェリー(審判委員会)の立場からすれば大変なことですが、厳しく書いてもらうことにはまったく問題はありません。よりよい日本サッカーにしていくために、このような情報をすべてオープンにしていますので」
審判団のミスを認めて責めるのではなく、ミスが起こった舞台裏をつまびらかに開示。そのうえで改善策を講じながら相互理解を図ることを目的のひとつとして、レフェリーブリーフィングが導入されて3年目。そのなかでも最大の事象がどのように生かされるかは、来シーズン以降のジャッジにかかってくる。
Source: カルチョまとめブログ