イニエスタ、Jリーグについて「どのチームにもうまいなと思う選手が必ず何人かいる。レベルの高さに驚いた」
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
歴史的瞬間だった。昨年7月22日の湘南戦。ノエビアスタジアム神戸に歴代3位の2万6146人を集め、イニエスタがJリーグのピッチに降り立った。「違う国の違うリーグでサッカーを続けられることは、すごくうれしいし、ワクワクしていた」。来日当時をそう振り返った。敗れたデビュー戦は「少し苦い思い出」となったが、来日3戦目の磐田戦では鮮やかなターンから待望のJ初得点を決めた。「自分の初ゴールをファンの前で決められた」と、イニエスタは昨季最も印象に残る試合に挙げた。
リーグ戦14試合に出場し、計1080分間のプレーでシュート16本を放ち、3得点を挙げた。「日本に来ることは大きな変化で、変化には時間がかかるもの。これまでの時間はすごく濃密な時間だった」と昨季を語った。「適応期間」と位置付けながらも、卓越した技術に裏打ちされた一つ一つのプレーはピッチ上で明らかな“違い”を生み出し、神戸のサッカーをそのものを変えつつある。
Jリーグについて「どのチームにも『うまいな』と思う選手が必ず何人かいる。レベルの高さに驚いた」と率直な印象を口にした。「日本では攻撃と守備の展開が常に一つのリズムでプレーされ、速いスピードで試合が運ばれることが多い。欧州にはより緩急があり、試合をコントロールするために小休止というか、あえてスピードを落とす局面がある」と日本と欧州の違いを指摘する。優劣を語っているわけではなく「Jリーグでプレーするにはフィジカル的にフィットしていないと難しい」と認め、「欧州で得たものを日本にもたらしてさらなる発展に貢献し、日本のサッカーからたくさん学んでさらに成長し続けたい」と謙虚に語った。
スペイン南東部のアルバセテで幼少期を送った。「すごくいい思い出として記憶に残っている。学校にいる時も学校が終わった後も、純粋にサッカーを楽しんでいた」と当時を懐かしむ。12歳で故郷を離れ、バルセロナの下部組織に入団。バルセロナとスペイン代表で計35冠を獲得した。栄光に彩られたキャリアの中でも忘れられない試合があるという。
「12歳の時から追い求めていた夢を達成できた瞬間だった」。02年10月29日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグのクラブ・ブルージュ(ベルギー)戦に先発フル出場し、トップチームデビューを飾った。後に欧州CLやW杯を制するイニエスタにとっても「一番印象に残っている」という原点。18歳だった自分を信頼してピッチに送り出してくれたオランダ人のファンハール監督(当時)には「とても特別な思いがある」と感慨を込めて振り返った。
22年間を過ごしたバルセロナを去り、極東の港町へやって来た。異国での生活は初めてだが「家族みんなで少しずつ神戸の街を“探検”しているところ。神戸を本当に気に入っているし、満喫している」。摩耶山や相楽園など神戸の名所を訪れた様子は、約2700万人のフォロワー数を誇る写真共有アプリ「インスタグラム」で世界に発信されている。
「海寄りの街も中心街も好き。特に夕方にかけて活気づいてくるところも好きだし、静かな場所もある。そういったところが本当に楽しい」とほほ笑む。ただ、「一つはっきりさせておきたいのは観光目的で来たわけではない。神戸で結果を残し、しっかりと自分のキャリアを継続させるために来た」と話す表情は真剣そのものだ。
“イニエスタ効果”はピッチ外でも絶大だった。昨年の本拠地入場券は第21節磐田戦から最終節仙台戦まで8試合連続で完売。年間入場者数は一昨年を約5万7091人上回り、36万7716人と過去最多を記録した。神戸の公式インスタグラムのフォロワー数も10万5千人に達し、Jリーグ最多となった。
過熱する周囲の混乱を避けるため、練習見学は月1回の一般公開練習時に限定されたが、イニエスタはサポーターのサインの求めに丁寧に応じ、子供たちと即席の記念撮影も行った。小学生の子供たちを集めて行われた自身のサッカー教室では、試合翌日にもかかわらずミニゲームに参加。世界的スーパースターとは思えぬ実直な人柄にクラブスタッフらも目を見張り、“神対応”はイニエスタの代名詞にもなった。
1/4(金) 6:00配信 デイリースポーツ
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190104-00000011-dal-socc
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI