オシムが語るアジア杯初戦と中東勢「日本は本物のサッカーを見せた」
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
しかし、彼の口から語られた言葉は、日本のサポーターやメディア、解説者などの意見や試合から受けた印象とは、たぶんまったく異なる。
トルシエもそうだが、ヨーロッパ人の指導者に共通の視点・評価の基準が彼の中にあり、それは日本的なコンテクストを離れたときに、日本人が語る言葉とは全然別の言葉となって現れるのだろうと思う。
もうひとつは、森保一という監督の資質である。これは私見だが、森保にはこれまでの日本人監督にはない、オシムやトルシエの琴線に触れる指導力がある。
日本での評価は総じて低いこのトルクメニスタン戦を、ふたりがまったく違う視点から評価しているのも、森保が持つ何か、彼がピッチ上で実践したものに対して、ふたりが敏感に反応したからなのだろう。
――日本の試合は見ましたか?
「ああ、見た」
――大会の初戦はいつも難しいですね。
「日本対トルクメニスタン戦は悪い試合ではなかった。私は今、オマーン対ウズベキスタン戦を見ているが、レベルは比べるべくもない。
トルクメニスタン戦の日本は、ボールを保持したときのプレーの成熟を示していた。サイドチェンジを繰り返しながらプレーを加速させた。あまり多くを変える必要はない。若い選手たちにとっては学ぶべきいいモデルだ。
たしかにこの種の試合は難しい。互いに相手をよく研究し、相手に対して少し恐れを抱いている。多くを期待できる試合ではない。それでも日本は個の力で優れていることを示した。
注目すべきプレーも随所にあった。的確にプレーし、これは大事なことだが効率的でもあった。彼らの今日のプレーに対して言うべきこと(批判すべきこと)はあまりない。オマーン対ウズベキスタン戦とは格段の差だ」
「日本が見せたのは本物のサッカーであるといえる。個としてはオマーンもウズベキスタンも決して悪くはない。リーグのレベルもそれなりだろう。だが、それがチームとなると、日本との差が随所に現われる。
チームとしての意志に大きな差があるし、日本は選手もその中で存分に自分の役割と個の能力を発揮している。ロングシュートやプレーの加速……。
とりわけ2点目はワンツーやヘディングを交えたコンビネーションが素晴らしかった。一見に値するプレーであったし日本の進化を示したプレーでもあった。
日本が着実にいいチームに成長しつつあることが感じられた。日本はリスペクトを受けて然るべきチームになろうとしている。
たしかにゴールキーパーは少し眠っていたが、大したことにはならなかった。大事には至らなかったが、少し注意した方がいい。
今日のサッカーではロングシュートの一発で試合が決まることがある。そのときにGKが眠っていては勝つのは難しい」
「日本のゴールはいずれも素晴らしかった。見事なコンビネーションと個人技。とても美しいゴールで、だからこそ満足すべきだ。私はそう思う。
チームは着実に進化している。他のチームがどうかあまり良くは知らないが、日本はすでに随分先を歩いている。
もちろん韓国やイラン、中国なども警戒は必要だが、日本は優勝しても決しておかしくはない。世界との差も縮まっている。
フィジカル面で進化し、選手はよりスピーディーに、より機動性に富むようになった。技術も進歩して、以前よりずっと効率のいいプレーができる。この方向で進んでいくべきだ。今日の試合を見て、改めてそう思った」
「もちろん世代交代は必要だ。若い選手をこのような大会で起用するのはリスクが伴うが、起用しなければチームは何も変わらない。
積極的に起用すべきだし、今日のように彼らはスピーディーかつシンプルに、独善に陥るのでなくコレクティブにプレーする。
幾人かの選手は個の能力の高さで素晴らしいプレーができることを示したが、それはそれで悪くない。今後に向けて準備を万端に進められれば、特に言うことはないだろう。今日のこの試合に満足できないのであれば、これから先もどれほど満足できるものか……。
1/13(日) 9:01配信 NUMBER
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190113-00833181-number-socc&p=2
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI