オシムがサウジ戦を高く評価!「後方で愚かなプレーがなかったのは二歩前進」
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
――厳しい試合でした。
「簡単ではなかった。サッカーは世界的に均一化に向かっている。どこもサッカーに力を入れているから差はどんどん縮まり、アウトサイダーも絶対の本命もなくなりつつある。そこを意識しても仕方がない。もっと別の面に目を向けるべきだ。
日本はとてもシビアにプレーした。しかしサウジはボールを保持し続けた。試合を通してほとんど彼らがキープし続けたが、結局、なんにもならなかった。つまり日本が、それだけ注意深くプレーしたといえる」
――守備はそうでした。
「もうひとつ……後方で愚かなプレーがなかったのは、二歩前進したことになる。日本の進歩を示した試合だった。日本は前の試合の教訓をしっかり学んだからだ。
優れたサッカーを実践するチーム同士の試合だった。ボールをキープしてサイドからチャンスを作り出す。ともに技術的に優れ、やるべきことをやっていた。どちらも技術的な進歩が見られ、日本はまるでブラジルのようにボールを扱った。
だが、サウジはそれ以上だった」
「若さだけが優先されているわけではない」
「サッカーは世界中のどこでもおこなわれている。しかも、多くの土地で素晴らしいプレーが実践されている。日本は多くの選手がヨーロッパの優れたクラブでプレーし、彼らはおしなべてボールを保持でき技術的にもすぐれてプラスアルファをもたらすことができる。若い選手たちがたくさん出てきたのも嬉しい驚きだ。
他の国と違うのは、他では若いがゆえに代表に入っている。あるいは試合に出ている。日本の若い選手たちは優れているからプレーしている。決して若さだけが優先されているわけではない。そういう風にしてチームを変えていくのは正しい」
――武藤嘉紀はそれなりではありましたが力を限定されました。
「優れたディフェンダーが数多く出てきているうえに、すべての選手が守備をよくするようになったからだ。ディシプリンに溢れ、攻撃側に自由にスペースを与えてくれない。味方の助けなしには、ひとりでディフェンダーを抜くのはなかなか難しい。
攻撃は本当に難しい。さらにチームを強くするためには、今いる選手が最高クラスの選手になるか、最高クラスの選手を獲得する以外にないわけだ。そういう個で突出した選手も、チームのためには有益かも知れない。
長く一緒にプレーすれば、コンビネーションも向上する」
「まるでDFのように守備をしたFW陣」
「日本の攻撃はたしかに良くはなかった。連動性を得るまでにはもっと時間が必要だ。だが、試合を重ねて、一緒にプレーする時間が長くなればそこもスムーズになるだろう。
しかし……悪くもなかった。勇気と闘争心に溢れ、テクニックにも秀でた若い選手たちが、常に何かをしようと試みていたからだ。
その意欲と積極性は評価できる。また1対1での戦いでも臆さなかった。とりわけ守備の場面で攻撃陣の選手たちはよく仕事をして、まるでディフェンダーのような守備をした。
それは大きな前進であるといえる。というのも日本では、攻撃で人気者になるとまず守備の仕事をしなくなるからだ(笑)。
だが、今、彼らは守備をしはじめたわけだ。タックルをし、相手の選手を追いかける。そして守る――だから日本のサッカーは進歩した、と言える。誰もがすべての役割をこなす。とても大事なことだ。
今の日本は、かつてのイングランドやドイツのような存在になった。
どの対戦相手国も、日本にはもはやスペースを与えてはくれないだろう。相手が常に詰めているので日本の選手にスペースはなく、マークもきつく、昔のように自由にプレーするのは難しいはずだ。
そうでなくても日本人は俊敏で機動性に富むと認識されているから、今では決して自由にさせてはくれないはずだ。今の時代は攻撃の選手も守備の仕事ができるかどうかが厳しく問われるときだ。世界を見渡しても、優れた守備のできる選手はたくさんいる。
昔は攻撃するだけだった日本のアタッカーたちが、今ではしっかりと守ることを会得しているのだから、その方向性は決して間違えてない。
繰り返すが日本は素晴らしい試合を実現した。攻撃でも守備においても、誰もが献身的に仕事をしたからだ。
1/24(木) 7:01配信 ナンバー
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190124-00833276-number-socc&p=1
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI