【釜本邦茂】堂安はまだまだロッベンにはなれない…両ワイドはもっと縦に仕掛けていくべき
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190125-00010000-sdigestw-socc
堂安はPKを奪取して自ら決める活躍を見せたが、釜本氏はもっと縦に勝負してほしいと語る。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
アタッカーを利き足と逆のサイドに置くやり方が、あまり良い方向に作用していない日本代表がベトナム代表を相手に、なんとか1点を守り切ってアジアカップの4強入りを決めた。今大会はずっとそうだが、相変わらずディフェンス陣が大忙しで、一生懸命に頑張っていたね。
VARによるゴールの取り消しも、PK獲得の判定もあったなかで、日本は確かに粘り強く戦った。しかし試合内容としては、1回戦のサウジアラビア戦と同様、守備はよく頑張ったが、攻撃はほとんど進歩していないように感じられた。
もちろん、相手が引いて守るチームだったことで、今回はある程度ポゼッションで上回ることになったが、果たしてボールをどう回せば敵の守備が崩れるのか、そんなことを考えながらプレーしていたようには見えなかった。ボランチは縦を狙うことしか考えていないようだし、ワイドの選手も中に入りがちで相手の選手が密集しているところへ飛び込んでいくような場面が何回も見られた。
堂安もPKは獲ったけれど、半分の仕事しかやっていない。中へ入っていくばかりで縦がないんだから。自分で持ち上がってペナルティエリア付近まで行っているのに、そこでまた中央を見てパスを狙ってしまう場面もあった。同じことを繰り返して、同じ展開が延々と続いていた。これでは、まだまだ日本のロッベンにはなれないよ。
日本は左利きの堂安を右サイドに配置し、右利きの原口を左サイドに置いているが、今大会に関しては、この利き足と逆のサイドに置くやり方が、あまり良い方向に作用していないように見える。堂安にしても原口にしても縦に勝負を仕掛けるというより、カットインで中に入って自分でシュートを打とうとするプレーが多い。それ自体は悪くないが、やっぱりそこを封じられると後方へパスを出すか、あるいは中で潰されてしまうか……ということになる。
相手の研究もあるかもしれないが、日本の攻撃がどうも中央に偏ってしまうのは、こうした選手の配置にも問題点があるのではないか。攻撃のバリエーションという面でも、ドリブルで縦に仕掛けて相手の組織を切り裂くというシーンが少ないように感じられる。とにかく、日本の攻撃はまだまだ未成熟と言えるだろうね。
■ 大迫も“半身”の態勢から積極的に前を向いて仕掛けていくべきだ
ベトナム戦はシュートも決して多くはなかった。相手のほうが無駄打ちも多かったけれど、その思い切りの良さにはアグレッシブに戦うんだという気迫が感じられた。
前にも言ったように、日本は縦に勝負するアタッカーが少なすぎるんだ。ボールを受けてもロストを恐れてただ真っ直ぐパスを返す場面もあったが、そういうプレーは相手のプレスを勢いづかせるだけ。とくに前線はもっと粘らなければだめだ。
久しぶりに起用された大迫も同じ。やはり足もとにボールを収める技術はさすがだと思わせたが、最前線でターゲットとなる選手もボールを受けたら積極的にドリブルで運んで仕掛けてほしい。相手との間合いを測りながら“半身”の態勢になってボールを受け、そこから前を向いて勝負していくべきだ。そうなれば、真ん中からの崩しももう少し効果的なものになるはず。
そして次はいよいよイランとの大一番。相手は中国を寄せ付けずに3-0で勝ち上がってきた。日本はここまでスッキリとした勝利がないままだが、この準決勝でどんな戦いぶりを見せるのか大いに注目したい。おそらくは、ベトナム戦のメンバーがベースになるだろうが、屈強なイランのディフェンス陣を相手に人に強い大迫や、縦に速い伊東あるいは武藤などを有効に使って崩したいところだ。今大会一番の正念場をなんとか乗り切ってほしいね。
続きを読む
Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI