日本代表がチャンスすら作れない理由 アジアカップで繰り返される光景、最大の問題は?
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
●課題は変わらず。隙間へつける仕組みがない
ボールを持てば果敢に仕掛けてくるベトナムだったが、基調は日本がポゼッションして押し込む流れの試合になった。前半にベトナムに足を使わせたことで、後半に支配力が増したのは、初戦のトルクメニスタン戦と同じだ。
5-4-1で守備を固められると、なかなか打開できないのも同じ。森保一監督は大会前から「試合ごとに成長していきたい」と話していたが、ポゼッション攻撃について進歩はみられていない。
最大の問題は相手の守備ブロックの「隙間」にパスが入らないことだ。ここにボールが入らないと、守備を固めている相手からチャンスを量産するのは難しい。
ロシアワールドカップでは、香川真司が狭いスペースでもフリーになってパスを受けて失わずにさばくことができた。ただ、チームとしてその仕組みを持っていたわけではなく、単純に香川の個人能力だったことがアジアカップでよくわかった。
例えば、韓国はサイドバックの進出など周囲のポジショニングによって、オートマティックにソン・フンミンを左のハーフスペースでフリーにする仕組みを持っているが、日本にはそれがないのだ。
南野拓実はむしろストライカーで、トップに張っているか、相手に見られている状態でボールを受けにいくことが多く、したがって瞬間的にもフリーになれない。相方の北川航也はコントロール自体に失敗していてこちらもパスは入らない。
結局、相手を背負っていても受けて失わない、「的の大きい」大迫勇也が頼りという状況はまったく変わらなかった。
●ベトナムのフィニッシュに助けられる
試合の流れからいって、日本の勝利は順当といえる。今回のチームの弱点がポゼッション攻撃なので、得点は堂安律のPKのみにとどまったが、日本が勝ちに近いところにいたのは間違いない。
攻めあぐみながら、相手のカウンターにも肝を冷やしつつ勝ち抜いていった、ジーコ監督下の2004年大会とよく似ている。
ベトナム戦では、グエン・コン・フォンのドリブルから2、3回の決定機を作られた。ここまでの4試合で高い評価を受けていた冨安健洋が翻弄され、吉田麻也も釣り出された前半27分の場面ではシュートミスで事なきを得た。
フリーで待っていたグエン・クァン・ハイにパスされていたら万事休すだったろう。38分には権田修一と吉田の連係が不安定で、吉田のコントロールが大きくなりすぎた後、立て続けにシュートされた。自滅寸前だった。
後半はボールを支配したこともあって、ベトナムの攻撃を散発に終わらせたが、GKとDFの連係や呼吸に不安があるのも初戦から変わっていない。
●対イランと気になったVARの運用面
次は今大会最強のイランとの準決勝になる。堅守速攻型のほうが持ち味を出しやすい今大会の日本にとって、イラン戦は噛み合った試合になると思う。ただし、サウジアラビア戦のように引き込みすぎるのは危険である。
イランはサイドからのハイクロスを得意としていて、セカンドボールを拾ってのミドルシュートにも威力があるからだ。
前進守備も強力。理想をいえば、日本はボールを保持して押し込んでしまったほうがいい相手である。ところが、ポゼッション攻撃に進展がない現状なので、それができても得点はさほど期待できそうもないのが辛い。
大迫の完全復帰、ベトナム戦でようやく出てきた堂安と南野のコンビネーションを連発させること。そのあたりが期待になるが、どのみち厳しい試合にはなりそうだ。
1/25(金) 11:20配信 フットボールチャンネル
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190125-00010001-footballc-socc
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI