「このままでは日本も強くなれない」 金田喜稔がイラン戦で失望「悲しくなった」
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
それと同時に、金田氏はこの試合を見て「悲しくなった」ことがあったという。
「イランはロシア・ワールドカップでスペインやポルトガルといい勝負をして、成熟した選手が今回のメンバーの中心にいるから、アジア最強クラスのチームであるのは間違いないし、日本戦でどんなプレーを見せてくれるのか楽しみでもあった。でも、この試合を見て思ったのは、イランはイランだな、と。確かにそれぞれの選手に技術があり、フィジカルも強い。だけどアリ・ダエイや(コダダド・)アジジがいた頃と同じで、つまらないことで自滅してしまう悪い伝統は、なかなか変えられない」
日本戦でのイランに失望したという金田氏が、特に語気を強めて指摘したのが後半11分に日本が先制点を奪ったシーンだ。FW大迫勇也(ブレーメン)のスルーパスに走り込んだMF南野拓実(ザルツブルク)が、ペナルティーエリア手前で相手と接触し倒れ込んだ。この瞬間、イランの5選手はノーファウルを主張するようにボールから目を離して一斉に主審へと詰め寄る。ところが笛は吹かれておらず、すぐさま立ち上がった南野がこぼれ球を拾ってクロス。最後は大迫が頭で合わせて日本が貴重な先制点を奪った。
「この1点目にすべて集約されている」と指摘した金田氏は、次のように続ける。
「イランは昔からジャッジ一つで、プレーすることを止める」
「イランは昔からジャッジ一つで、プレーすることを止める。ワールドカップ出場を経験して、欧州でプレーする選手も増えているのに、それは変わらない。レフェリーのホイッスルが鳴りそうだなとなったら、全部日本のファウルを主張して、自分たちは何もやっていないとアピールする。アジアでトップクラスのイランが、サッカーをやることよりジャッジに文句を言うことに力を注ぐ姿が、個人的にはこの試合で一番ショックを受けたことだった」
日本に先制点を奪われたイランは、後半22分にDFモルテザ・プーラリガンジがペナルティーエリア内でのハンドを取られてPKを献上。これを大迫に決められ0-2となると、次第に球際でのラフプレーや小競り合いが増えるなど、試合は荒れ模様となっていった。「負けそうになったら、相手を削ってしまえなんて……その光景を見ていて悲しくなった」と語った金田氏は、イランのこうした振る舞いが日本に与える影響について言及する。
「もちろん、日本が3-0と快勝したことは嬉しいし、最後までフェアな戦いを貫いた姿は清々しく、誇らしいものだった。でも日本サッカーの未来を考えた時、アジアという枠組みの中でワールドカップ予選やアジアカップ、育成年代の大会といった公式戦を通じて、世界で戦える力を身につけられるのかと言ったら、“アジア最強”と言われたイランにあんな試合をやられたら無理でしょう。
例えば、日本が後半の途中で2-0とリードした時、ロシア・ワールドカップのベスト16で同じような状況からベルギーに3点を奪われて逆転負けした教訓を生かせといったって、この試合でのイランは比較対象にもならない。絶体絶命の状況をはね返したベルギーのようなサッカーを、技術的にはもちろん、メンタル的にイランが再現できるわけがない。真摯にサッカーに向き合い続けたベルギーだからこそ、あのワールドカップでの大逆転劇は生まれたし、日本人として試合に負けたことは悔しかったけど、彼らの振る舞いにはサッカーというスポーツの素晴らしさが詰まっていた」
フェアプレーを徹底しなくては「アジアも、日本も強くなれない」
日本が3-0と快勝したこと以上に、この試合でのイランの戦う姿勢が残念だったと語った金田氏。アジア全体のレベルアップのためにも、「最低限、日本のサッカーが示す態度や振る舞い、マナーに関してアジア全体で共有すべき」と主張する。
フェアプレー精神の下での全力プレーこそが、サッカーのレベルアップにつながっていく。これを実現できなくては「アジアは強くなれない。日本が強くなれない」と金田氏は警鐘を鳴らしたが、果たして今大会のラストマッチとなる日本とカタールの決勝はどんな試合になるのだろうか。アジアサッカーの未来につながるような、素晴らしい戦いに期待したいところだ。
2/1(金) 11:53配信フットボールゾーン
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190201-00167488-soccermzw-socc&p=1
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI