ストライカーながらも多くのゴールに恵まれてきたわけではない。12年に桐生一高から新潟に加入したFW鈴木武蔵だが、17年までのプロ6年間でのシーズン最多は14年の3得点。しかし、昨季加入した長崎でキャリアハイとなる11得点を記録すると、今季加入した北海道コンサドーレ札幌でのリーグ戦初先発の試合で自身の存在価値を結果で示した。
2月23日の湘南戦ではベンチスタートとなったこともあり、「当日までスタメンかどうか分からなかった」ようだが、第2節浦和戦でスターティングメンバ―に名を連ねると、試合開始早々の前半2分にいきなりネットを揺らす。左サイドからMF菅大輝が打ち込んだ横パスをFWアンデルソン・ロペスが最終ライン裏に浮き球のパスを落とすと、「意図した形で、横パスが入ってロペスの位置も確認できた」という鈴木がPA内へ。トラップでボールを落ち着けてGK西川周作の動きを見極めると、左足のシュートを決めて先制点をもたらした。
これだけでは終わらない。前半27分にはDFマウリシオの縦パスをMFチャナティップがカットすると、「背後のスペースが見えた」と最終ライン裏に走り込んで鮮やかなスルーパスを呼び込む。完全に抜け出すと、再び西川との1対1を制して自身2点目を蹴り込んだ。「ボールを受けるタイミングやどこで背後を取ればいいかというのは、練習のときから(ペトロヴィッチ監督から)言われている」という練習の成果を発揮してのゴールとなった。
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