川崎フロンターレがJ1連覇!シルバーコレクターから常勝軍団へ1歩
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
負けても、2位広島が仙台に敗れれば連覇が決まる。目の前に迫る栄冠に重圧は加わる。前半は0-0で折り返す。後半10分にはC大阪FW杉本健勇に先制点を許す。だが、その後、朗報が届く。優勝条件の対象チームの広島が仙台に先制された。このままでも連覇は決まるが、川崎Fの選手たちは攻める姿勢を失わない。後半46分、PKを獲得すると、FW家長昭博が冷静に右すみに決めた。終盤に再び勝ち越されたが最後まで力を尽くし連覇を達成した。
今季は、富士ゼロックス・スーパー杯、ACLで3連敗を喫してのスタートだった。リーグ開幕戦の磐田戦は白星を挙げたが、3月31日の広島戦で黒星を喫し、そこから公式戦6戦未勝利と長いトンネルも経験した。5月には15年10月以来、2年半ぶりの連敗を喫し、広島との勝ち点差は最大の「13」にまで開いた。
だが、鬼木達監督もイレブンも動じなかった。MF阿部浩之(29)は「2年半ぶりの連敗って、逆にすごいことでしょ。そんなチームがレアなんですよ」とサラリと話し、MF中村憲剛(38)も「連敗してしまったものは仕方がない。切り替えてトレーニングするだけ」と敗戦を引きずることはなかった。選手全員が昨季の逆転優勝の経験から「首位を見るのでなく、1戦ごとに勝ち点3を積み重ねなければ何も始まらない」と分かっていた。ボールを失ったら激しい球際と速い攻守の切り替えで奪い返し、ボールを握り倒して攻める。昨季、リーグ初優勝を遂げた「勝利の方程式」を貫いた。
連敗直後の5月12日のアウェー柏戦は、鬼木監督が「ターニングポイント」として挙げる一戦だ。今季、J2山形から加入したMF鈴木雄斗(25)が途中出場でJ1デビューし、ロスタイムの劇的勝ち越し弾を決めて勝利。伏兵が活躍しての白星に、鬼木監督は「ここで負ければ一気にチームも自信を無くす瞬間だったと思う。そのタイミングでラルフ(鈴木)が入って4分で仕事をして。普段、出られない選手も、やればチャンスがある、と士気が上がる瞬間だった」と振り返る。
今季は始動前のキャンプで、主将のFW小林が「常勝軍団にしていこう」との決意を口にし、副主将の大島僚太(25)が「チームが強くなる上では、年齢関係なく、厳しく求め合うこと。試合に出る人、出ない人がいますけど、出ていない選手が出ている選手を食うではないですが、去年以上に激しく厳しい練習をしていきたい」と所信を表明し、チームに活気を与えた。MF斎藤学(28)、FW大久保嘉人(36)が加入。大久保とMFエドゥアルド・ネット(30)は夏に移籍したが、選手層が厚くなったことで生まれた激烈な競争が、チームの底上げにつながった。
日々の練習では、風間八宏前監督(現名古屋監督)がしみこませた「蹴る・止める」の技術、鬼木監督が植え付けた「観客を魅了する激しい守備」の両輪を磨いていった。鬼木監督は現役時代、常勝軍団の鹿島でプレーし「うまいだけじゃ勝てない」と感じたことを明かし「鹿島は、うまい選手が、しっかり守備もし、下手な自分よりハードワークする。うまい選手がやれば、鬼に金棒で強くなるのが当たり前。そこを言い続けたのは言い続けた」。うまい選手でも守備をサボればピッチに立てない環境をつくりだした。
W杯ロシア大会中断明けの7月からは、12勝2敗3分けと強さを発揮。DF谷口彰悟(27)は「細かい部分で、守備でもう1歩寄せる、もう2、3メートルダッシュするとか、切り替えの速さ、戻るスピードと、当たり前にやるべきことをどれだけ高いレベルでできるかに帰り着いた」と振り返る。今季は第32節終了時で得点がリーグ●位の●得点、失点もリーグ最少の失点数●とさらにチームを強くした。
97年にJFL参入から21年。昨年まではJ1の舞台で9度の準優勝の経験から「シルバーコレクター」と言われていたが、リーグ最終節に劇的な逆転優勝を果たし「勝負弱さ」を返上した。うまさと強さを兼ね備えた川崎Fが、常勝軍団への道を歩き始めた。
https://www.nikkansports.com/soccer/news/201811090000640.html
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI