トーレス「残留を争うというのは、自分にとって人生で最初の経験」

海外サッカー日本人選手
1: Egg ★ 2018/11/30(金) 12:56:58.31 _USER9
11月24日、ベストアメニティスタジアム。サガン鳥栖はJ1残留を争う横浜F・マリノスとの一戦を戦っていた。1-1で迎えた78分。ストライカーを象徴する9番を背負ったフェルナンド・トーレスは、大観衆を最高の陶酔に導くゴールを決めている。

センターバックとして頭角を表す高橋祐治のインターセプトから、前線の金崎夢生がパスを受け、そのボールをトーレスへ。トーレスは相手ディフェンダーに行く手を塞がれたものの、巧みなボールコーントロールによってシュートコースを作り出し、体をたたみ、右足を鋭く一閃した。その動作はしなやかで艶やかだったが、ボールの軌道も美しかった。ボールはゴールのファーサイドに導かれるように入っている。

結局、このゴールが決勝点になった。負けたら自動降格の危険性もあった一戦。トーレスはその実力と度胸のよさを正念場で見せつけた。

トーレスはここまでリーグ戦16試合出場で3得点目。入団以来、大きく注目された世界的ストライカーとしては決して満足のできる数字ではない。スペイン代表として欧州王者に輝き、W杯でも頂点に立った選手なのだ。

この日も後半、決勝点を決める前にはオフサイドの判定に不満を覚え、足もとのボールをゴール裏の看板に向かってぶつけている。フラストレーションを抱えているのは明らかだった。

「いつも穏やかで落ち着いている」

そう言われるトーレスらしくない取り乱し方だった。その胸中に迫るものは何なのか。

試合後のミックスゾーンで、トーレスは20人近い記者たちに囲まれていた。英語の通訳を介して、質疑が続いた。ゴールを祝するのは当然だろう。しかし、そこに至る心理状態はどうだったのか。

スペイン語で直接、質問をぶつけた。

――ゴールするまでの2、3本は、決定的シュートが完全に”当たって”いなかった。あなたのような選手でも、やはりプレッシャーを感じるものなのか?

日本人の記者の質問に、一瞬、面食らったような表情を彼は浮かべた。日本では、シュートを外そうが入れようが、そこまで厳しい質問は浴びないのだろう。

「残留を争うというのは、自分にとって人生で最初の経験だから」

彼は少し苦味のある笑みを洩らして言った。世界最高峰の欧州チャンピオンズリーグで優勝を争い、リーガ・エスパニョーラやプレミアリーグ、セリエAで覇権を争ったゴールゲッターの告白だ。

「このプレッシャーの感覚は、新しいものだよ。降格しないように戦うというのは、僕にとっても初めての経験なんだ」

彼はそう言いながら、すでに余裕を取り戻していた。冷徹に物事を見極められる性格なのだろう。

「でも、そもそも全部のシュートを入れることはできないんだよ。それもフットボールの一部なのさ。(外したシュートも含めて)すべてが、チームを助けることになった重要なゴールにつながっているんだ」

10月、鳥栖が降格圏の17位に転落すると、イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督が解任され、U―18を率いていた金明輝監督に交代した。以来、4試合で3勝1引き分けと、その好転は結果に如実に表れている。

つづく
2018-11-30_13h42_24
11/30(金) 6:21配信 スポルティーバ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181130-00010000-sportiva-socc


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