「ライバルは東洋大、東海大、早大ではなく、サッカーや野球なんです」
自他ともに認める日本陸上界の異色指導者は、この言葉を常に頭に入れていた。
2018年10月8日。今季の学生3大駅伝、出雲駅伝(島根・出雲市出雲大社~出雲ドーム)を制した後、ゴール地点の出雲ドームに隣接したスポーツ公園で練習していたサッカー少年たちが原監督に気がついて集まってきた。すると、原監督は満面の笑みで呼びかけた。「みんな、サッカーもいいけど、陸上やろうぜ! 大学生になったら、地元の出雲駅伝に出ようよ! スターになれるぞ!」。テレビでよく見る“タレント監督”と触れ合ったサッカー少年たちは大興奮。そのサッカー少年チームの木次ラ・スリーズの監督に了承を得て、市場瑛斗君(11)に話を聞くと「原監督、チョー面白い。駅伝、やってみたくなった」と満面の笑みで話した。
将来の駅伝ランナーの“スカウト”に手応えをつかんだ原監督も笑顔。「サッカー少年たちはみんな運動能力が高い。ああいう子どもたちを陸上界に呼び込みたい」と言葉に力を込めて話した。
異種競技選手のスカウトに原監督は熱心だ。毎年、青学大の第1次夏合宿は長野・菅平高原で行われる。菅平は昔から陸上よりもラグビーの合宿が盛んな土地。原監督はロードで走り込みをしている高校生ラガーメンをチェックし、しばしば声をかける。「花園や秩父宮もいいけど、箱根を目指してみないか?」。決して冷やかしではない。「走りのリズムが良くて、ラガーメンとしては体の線が細い選手に声をかけている。長・・・
続きを読む >>