ヘタフェのボランチには、第一に守備力と強さが求められている。ただ、それはヘタフェだけではなく、柴崎が初めてスペインの地でプレーしたテネリフェでも同じことだった。
テネリフェ時代の監督、ホセ・ルイス・マルティも、柴崎を日本代表でプレーしている中盤の底ではなく、主に左サイドで起用していた。
昨シーズン、ケガを負ったバルセロナ戦の前までのヘタフェでも同じで、柴崎はFWホルヘ・モリーナの衛星上でプレー。ホルヘ・モリーナと中盤をつなぐ、守備の負担の少ないポジションだった。
昨シーズン、選手層の薄かったFWのポジションには、ホルヘ・モリーナとアンヘル・ロドリゲスが残留をしただけでなく、昨シーズン2部の得点王であるハイメ・マタが加わった。
また、サイドもボルダラス監督が注文した縦への突破ができるアマトやイバン・アレホ、ロベルト・イバネスと駒が揃っており、これが柴崎の出場を阻んでいる。
柴崎本人のコメントがないことから、内心、どのように思っているのかはわからない。だが、一番つらかったのは、それまで出場していたボランチの選手が欠場したものの、DFジェネが中盤を務めた第3節のセビージャ戦だろう。
この試合、柴崎は開幕戦のレアル・マドリード戦に続く出場を果たしたが、パスミスやボールロストの場面が目立ち、その試合以降、アップをしてもサイドラインを越えてピッチの中に入ることはなかった。