この発想が、どこから生まれているのか分からない。
率直に言って、何の論拠もない考え方だろう。たとえトルクメニスタンに10-0で勝ったとしても、スペインに1-0で勝つ確証にはならない。なぜなら、サッカーは相手次第でプレーのかたちが大きく変わるからだ。
例えば、トルクメニスタンが日本に挑むなら、実力差を考慮に入れ、ガチガチに守る試合を仕掛けてくるだろう(実際にアジアカップではそうだった)。まずはスペースを消し、とにかく人を自由にさせない。徹底したリアクション戦術だ。
一方、スペインが日本と戦うなら、自分たちがボールを持ち、運び、優位に立とうとしてくるだろう。あくまで能動的なプレーを用い、局面での戦いも上回る。隙の少ない戦い方をしてくるはずだ。
2つの異なる敵に対し、日本のプレーは必然的に同じではなくなる。トルクメニスタン戦では、どのように守りをこじ開け、カウンターに備えるか。スペイン戦では、相手の持ち味を消しながら、ポゼッションも捨てず、カウンターで隙を見つけられるか――。全く違う展開になるだろう。
これは何も、日本だけの話ではない。例えば、ブラジルでさえ、守りを固めた相手に5、6点をいつも叩き込んでいるわけではないし、彼らは“必ずしもそれが必要ではない”と心得ている。大差をつけた勝利が、自己満足に過ぎないことを知っているのだ。
「相手に応じて戦えるか」
それが、サッカーの兵法における最大の命題である。
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