14日にポーランドの首都ワルシャワでUEFAスーパーカップ、レアル・マドリー対アタランタが行われ、2-0で勝利したマドリーが通算6回目の優勝を果たしている。

昨季15回目のチャンピオンズカップ/リーグ優勝を果たしたレアル・マドリーと、昨季史上初の欧州カップ（ヨーロッパリーグ）制覇を成し遂げたアタランタの一戦。マドリーのカルロ・アンチェロッティ監督は新加入エンバペをいきなり先発で起用し、GKクルトワ、DFカルバハル、ミリトン、リュディガー、メンディ、MFバルベルデ、チュアメニ、ベリンガム、FWロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウスでスタメンを組んでいる。

4-3-3のレアル・マドリーは立ち上がりこそ勢いよく攻撃を仕掛け、14分には相手DFに当たったもののエンバペのファーストシュートも生まれた。だが、その後にはアタランタのハイプレス戦術が少しずつアジャストしていき停滞。マドリーのパフォーマンスで強調されたのは、その豪華攻撃陣の共演ではなく彼らの連係不足と、そして何よりも引退したクロースの不在だった。選手への依存度が高いマドリーの中でもチームの歯車の一つというよりプレーメカニズムそのものだったドイツ代表MFの穴は、やはり簡単には埋まらない。

中盤の底からゲームをつくることができず、攻撃に迫力がないままのマドリーは、前半終了間際にようやく決定機を生み出す。ペナルティーエリア手前のヴィニシウスのスルーパスが相手DFに当たってエリア内に転がり、これを拾ったロドリゴが左足でシュート。しかし精度を欠いたボールはクロスバーに当たった。

苦戦しながら試合を折り返したレアル・マドリー。迎えた後半、47分にはパシャリッチのヘディングシュートを許したものの、横っ飛びしたクルトワが右手で弾き事なきを得た。マドリーはその後、ベリンガムが攻守両面で絶大な存在感を見せて、少しずつ主導権を握り始め、そして59分に待望の先制点を獲得する。

GKフアン・ムッソが蹴ったボールをメンディが頭で前に送り返すと、これを受けたベリンガムがヴィニシウスにスルーパス。ペナルティーエリア内左に入り込んだヴィニシウスは、フェイントからの凄まじい加速で相手DFを置き去りにしてゴールライン際まで突き進み、右足アウトサイドでグラウンダーのクロスを放つ。そしてゴール前にフリーで詰めていたバルベルデが、このプレゼントのようなクロスを右足で枠内に押し込んだ。

ついに先制したレアル・マドリーは、68分に追加点を記録。決めたのは、エンバペ！　ロドリゴの敵陣でのボール奪取から（1点目も敵陣ででボールを奪い返してからだった）一気にペナルティーエリアを包囲すると、エリア内左のベリンガムが中央に向けて横パス。この誰もが追いつけるわけではないスピードあるパスにエンバペがあの大迫力のスプリントで追いつくと、見事なボディバランスから右足でシュートを繰り出し、ネットを揺らしている。

リードを2点に広げたアンチェロッティ監督はその後、次々選手を交代させていき、ロドリゴ、エンバペ、ヴィニシウス、ベリンガム、カルバハルを下げてモドリッチ、ブラヒム、ギュレル、セバジョス、ルーカス・バスケスをピッチに入れる。レアル・マドリーはアタランタの反撃を退け続け、2点差のまま試合終了のホイッスルを迎えた。

前半こそ苦しんだレアル・マドリーだったが、後半は敵陣でのボール奪取から圧巻の攻撃力を披露。連係はまだ拙いが10番的なプレーで輝いたベリンガム、凄まじい切れ味のドリブルから的確な判断でアシスト＆フィニッシュに持ち込むヴィニシウス、そして世界最高の選手という呼び声にかなう力強いゴールを決めたエンバペと、超人たちがそれぞれに超絶プレーを見せてチームの攻撃を引っ張った。今季マドリーは32チーム参加のクラブ・ワールドカップ含めて合計7タイトルの獲得に挑戦するが、大きな期待と可能性を感じさせるパフォーマンスで、まず1タイトル目を手中に収めている。

【WOWOW】UEFAスーパーカップ　実況
https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/livefoot/1723661299/