サッカージャーナリストの大住良之は、この開催には「大きな危険」をはらんでいると警鐘を鳴らす。どういうことか?
■ビッグクラブの「戦略」に侵された世界
サッカークラブに公共的な使命が義務づけられているドイツを別にして、欧州の強豪サッカークラブは世界の投資家たちの有力な投資対象となり、投資家が経営権を握ることでクラブはさらなる「利益追求」に突き進む方向にある。クラブが「本来のマーケット」を超えて「世界戦略」に走るのは、まさにこうした流れから言えば当然のことだった。
そして今、世界はこうした欧州のビッグクラブによる「戦略」にすっかり侵されてしまっている。世界のどの町に行っても、FCバルセロナやパリ・サンジェルマンのユニフォーム姿で闊歩する若者を見ることができる。子どもたちも、こうしたクラブのレプリカ・シャツで遊び回っている。
もちろん日本も例外ではない。Jリーグなどに見向きもしない若者たちが、イングランド王者のリバプールがプレシーズンの「市場開拓」のための「顔見せ試合」に来るというだけで、横浜の日産スタジアムに「Jリーグ主催試合記録」の6万7032人も集まってしまうのである。
■格安な移籍金で「欧州の三流クラブ」へ
サッカーにはサッカーの世界の「ルール」がある。それは、世界各国のクラブや国内サッカーを保護し、サッカーという競技の文化を保っていくためのルールだ。しかし「ボスマン判決」でも明らかなように、
プロサッカーを他の経済活動と同じ「法」の立場で見ていけば、「ビジャレアル×FCバルセロナ」をビジャレアルでやろうとマイアミでやろうと、関わる当時者が合意さえすれば、どこでも自由なのである。
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Source: サカラボ | サッカーまとめ速報

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