<セルジオ越後>まだ何の結果も出してない神戸のVIPトリオ。盲目的な称賛ばかりじゃ日本サッカーのレベルは上がらない!
- By : Kaskas55
- Category : 海外サッカー日本人選手
今季加入したビジャ(左)やポドルスキ、そしてイニエスタと豪華なタレントたちが並ぶ神戸の攻撃陣。果たして、補強に見合う結果を残せるか?
2019シーズンのJリーグが開幕した。3連覇を狙うフロンターレが元ブラジル代表のレアンドロ・ダミアンを補強して、さらに攻撃力を増した印象だけど、開幕戦はFC東京を相手に0-0のドロー。アジア王者のアントラーズも昇格組のトリニータにホームで敗れるなど、今季はちょっと一筋縄ではいかないような印象を与える幕開けとなったね。
ただ、そうは言っても今季も話題の中心は、やはり神戸のイニエスタ、ビジャ、ポドルスキの“VIPトリオ”の動向に傾いているようだ。テレビやインターネットの情報を見ても、彼らのニュースは本当に多い。もちろん、ワールドカップで主軸として優勝した経験のある選手たちなのだから、話題性があって当然なんだけど、ただそれにしても、「ヴィッセル神戸」や「サガン鳥栖」としての彼らではなく、元スペイン代表や元ドイツ代表の“元代表”や“元ワールドカップ王者”の肩書にフォーカスした記事が多いよね。
結局、メディアがそういう取り上げ方ばかりしていると、Jリーグやひいては日本サッカーを安売りすることにつながるんだ。ポドルスキはこの2年、なんの結果も出していない。本当に凄い選手なのかな? イニエスタにしても、去年の夏に日本に来て最初は期待感を抱かせたけど、結局チームは残留争いから抜け出せなかった。日本だから、結果を出さなくても何も言われないけど、これがヨーロッパの主要リーグだったら「何のために来たんだ?」と言われるのは間違いない。
日本人は海外サッカーに憧れを持ちすぎ。いくら、スター選手だといっても結果が出なければ遠慮なくブーイングすればいいし、批判すればいい。助っ人として来ている以上は、他の外国人と同じように結果を求めるべきだ。持ち上げるのは結果を出してからでも遅くはないよ。
Jリーグができて25年も経ったけど、ファンやメディアは日本サッカーにどれほどのプライドを持っているのかな。まともな分析や評価もなく盲目的に称賛するだけでは、日本サッカーのレベルはいつまでも上がらないよ。
開幕戦では久保が話題になっていたが…
開幕戦で先発出場を飾った久保は、持ち前のテクニックを披露した。写真:滝川敏之
神戸の助っ人たちとともに、開幕戦でもうひとり話題になっていたのがFC東京の久保建英だ。川崎戦では得意のドリブル突破やポスト直撃のFKで沸かせたようだね。ただ、彼の場合もイニエスタのケースに似ていて、“元バルセロナ”とか“弱冠17歳”という「看板」がついて回るんだ。
いうまでもなくイニエスタほどの実績があるわけではないから、その若さが取り上げる動機になっていると思うんだけど、本人のためにも長い目で見てあげてほしいね。プロは結局、結果を出し続けなければいけない世界。まだ実績と呼べるほどのものがないのに、スター選手並みの取り上げ方をされるから、何か重荷を背負わされているようで不憫だよ。
ちょっと前には向こうのメディア発でバルサに戻るという情報が、さも真実かのように流されたけど、こっちで結果を残せてない選手がどうしてバルサに行くんだ? ピッチのなかを見ないで早々にスターを作ろうと急ぎすぎても、寄せ集めの情報で作ったスターは本物にはなり得ない。しっかりと結果を出して、実力の伴った誰もが認めるスターにならなければ、決して長続きはしないよ。
むしろ、開幕戦ではアントラーズから2点を奪ったトリニータの藤本のほうが素晴らしい出来だったのに、報道であまり見かけなかったのは残念だった。看板にばかりとらわれ過ぎていると、日本サッカーの本当の価値が見えなくなってしまうよ。
2019年03月01日 サッカーダイジェスト
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=54755
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Source: 海外サッカー日本人選手速報 WORLD SAMURAI